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音楽の言語化

「羊と鋼の森」(宮下奈都)「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)を続けて読んでみました。前者はピアノの調律師の話、後者はピアノコンクール期間に的を絞って課題曲と出場者について書き込んだ話でした。いずれにも、ピアニストの性格、曲についての解釈によって、また調律によってどれほど異なる音楽が生み出されるかが言語化されています。漫画「ピアノの森」にも同様のことが描かれていますがこちらは音楽を言語化できているとは言えないでしょう。音楽のイメージを言語化するのはとても難しいと思いますが、特に「蜜蜂と遠雷」では、「神の雫」でワインを言語化(物語化)しているよりははるかに深く描写していました。私自身、読後にこの小説で扱われていた課題曲を数人のピアニストで聞き比べてみました。確かにピアニストの解釈によってまったく異なる音楽が作り上げられているのが非常によく実感できました。簡単に手に入るCDとしては、リストのラ・カンパネルラ(著作に出てくる課題曲ではありませんが)で、「11人の名ピアニストによるリスト」があります(廃盤かも)。私はアンドレ・ワッツの演奏が一番気に入っています。大きな手で高音の黒鍵を真上からたたいている音はとても澄んだ打撃音でピアノは打楽器なのだな、と感じさせてくれます。ピアノではありませんが、パッヘルベルのカノンとジーグやモーツアルト弦楽5重奏(K516)も数十の楽団による演奏を持っていますが、しっくりくるのはそれぞれ一つだけです。しかし、演奏を言語化することはできそうにありません。自分の好みの理由すら言語化できません。また、聞き比べてみて、自分の好き嫌いの理由を考えてみようと思います。
次の次の私のサロンのオフ会では、自分の「好き」の起源を考えてみるというテーマを扱います。7月29日の予定です。
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プロフィール

西きょうじ

Author:西きょうじ
予備校講師歴も30年以上になりました。いろいろなことがありましたが、様々な方向へと越境しつつ自分を更新していきたいと思っています。

参考書「英文読解入門基本はここだ」「ポレポレ英文読解プロセス50」「情報構造で読む英語長文」「リーディング&ボキャブラリー」「英文速読のナビゲーター」「英文の核」「英文法の核問題演習編」
一般書「踊らされるな、自ら踊れ」「越境へ」(共著)「仕事のエッセンス」「そもそも」「星の王子様さまを英語で読もう」

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